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過電流継電器(OCR)試験 方向性地絡継電器(DGR)試験

過電流継電器(OCR)試験

過電流継電器の試験に関する資料です。

◎動作電流特性
 動作電流特性を表1に示す
(表1)
項目性能
限時要素整定置に対し誤差が±10%
瞬時要素整定置に対して誤差が±15%
◎動作時間特性
 限時要素は、表2の動作時間特性欄の特性を持つとともに、動作時間特性試験を行ったとき、動作時間の誤差は、表2の許容誤差欄に示す値の範囲内で無ければならない。瞬時要素は、動作時間特性試験を行ったとき、動作時間は0.05s以下でなければならない。
(表2) 項目 動作時間特性 許容誤差 反限時特性 超反限時特性
項目動作時間特性許容誤差
反限時特性超反限時特性
1動作時間整定目盛位置nにおいて、 動作電流整定値の300%の電流を加えた時の公称動作時間 Tn3
10s≧Tn3≧1.5s
動作時間整定目盛位置10、動作電流整定値の300%電流での公称動作時間をT10・3、動作時間整定目盛位置N、動作電流整定値の300%電流での実測動作時間をTN3とした時、
|TN3-(N/10)T10・3   |
|―――――――――x100%|≦17%
|   T10・3       |
ここに、N:動作特性試験点として表される数値とする。
2動作時間整定目盛位置nにおいて、 動作電流整定値の700%の電流を加えた時の公称動作時間 Tn7
2s≧Tn7≧0.5s
動作時間整定目盛位置10、動作電流整定値の700%電流での公称動作時間をT10・7、動作時間整定目盛位置N、動作電流整定値の700%電流での実測動作時間をtN7としたとき、
|tN7-(N/10)T10・7  |
|―――――――――x100%|≦12%
|   T10・7       |
ここに、N:動作時間特性試験点として表される数値とする。
3-Tn3とTn7の比
7≧Tn3/Tn7≧4
-
4上記1及び2の条件を同時に満足する動作時間整定目盛位置nは、3目盛以上とすること。この場合、n自然数とする。-
◎復帰特性
 復帰特性試験を行った時、継電器は確実に復帰しなければならない。
◎慣性特性
 慣性特性試験を行ったとき、継電器の限時要素は、動作してはならない。

○不動作試験
 瞬時要素を最小電流整定値とし、動作電流値の80%に相当する電流を急激に加える。
○フローチング試験
 誘導形継電器について、限時要素を最小動作電流整定値とし、動作時間整定の10、7、4、及び1の目盛り位置における始動電流値を測定する。
○動作電流特性試験
 限時要素の動作時間整定を、1の目盛位置としたときの各動作電流整定値における動作電流値及び1の目盛位置 における始動電流値を測定する。
○動作時間特性試験
 限時要素を最小動作電流整定値とし、かつ、動作時間整定を形式検査では表2を満足する少なくとも3目盛、受渡検査では動作時間特性試験点の位置として表2の電流を急激に加え、継電器の動作時間を測定する。
 次に瞬時要素を最小動作電流整定値とし、整定値の200%の電流を急激に加え、継電器の動作時間を測定する。
○復帰特性試験
 限時要素及び瞬時要素をそれぞれ最小動作電流整定値とし、かつ、動作時間整定を10の目盛位置として動作させた後、電流値を限時要素については整定値の80%、瞬時要素ついては整定値の10%に減ずる。整定値の1000%の電流をしたの表に示す時間通電する。
区分通電時間
誘導系動作時間の60%
静止形動作時間の90%

方向性地絡継電器(DGR)試験

方向性地絡継電器の試験に関する資料です。

※以下の継電器設定を例に説明を行います。
電流整定タップ0.2A
電圧制定タップ5%(完全地絡電圧3810V)
最高感角度0°A
(試験方法は継電器単体試験、試験用電源は他電源)
試験方法判定基準
1. 動作電流値試験
JIS規格では、零相電圧を整定値の150%にし、位相角を最高感度角に調整し、0から徐々に電流を流し継電器が動作する値を測定すると規定しています。整定値に対し±10%
2. 動作電圧値試験
JIS規格では、零相電流を整定値の150%にし、位相角を最高感度角に調整し、0から徐々に電圧を印加し継電器が動作する値を測定すると規定しています。整定値に対し±25%以内
3. 位相特性試験
JIS規格では、零相電流を整定値の1000%、零相電圧を整定値の150%にし、位相角を不動作領域から動作領域へ移相していき継電器が動作する値を測定すると規定しています。測定は進み、遅れの2点を測定します。製造者が明示する範囲
4. 動作時間試験
JIS規格では、零相電圧を整定値の150%にし、位相角を最高感度角に調整します。零相電流を整定値の130%、400%の動作時間を測定すると規定しています。電流整定値130%に対し0.1~0.3秒
電流整定値400%に対し0.1~0.2秒
(※動作時間が整定できるタイプは、最小時間の場合)
◎負荷開閉器との連動試験の場合
電流整定値の80%に対しては、不動作
電流整定値130%に対し0.4秒以内
電流整定値400%に対し0.3秒以内
5. 慣性特性試験
JIS規格では、零相電圧を整定値の150%、零相電流を整定値の400%にし、位相角を最高感度角に調整します。この状態で、50ms間電圧と電流を継電器に加え継電器が動作しない事を確認します。
最小慣性動作時間測定について
※JIS規格では、50msのみですが、出力時間を増やしていき最小の慣性動作時間を測定していくと毎年の継電器の特性変化が把握できます。
 慣性試験機能は、最小慣性動作時間を測定できるように1ms単位で設定できるようになっています。
試験条件の出力を50ms出力した時に、動作しない事